BI(最低所得保障・Basic Income)で、貧富の格差拡大を抑制して、AI(人工知能・Artificial Intelligence)が人間の仕事・作業を助けることで、人間が創造的な生活を営むという未来は描くことができないか。
今月はアメリカ大統領選挙が行われ、6月には英国でEU離脱を問う国民投票が行われ、ポピュリズム(populism)が台頭している。
アメリカ大統領選挙では共和党のトランプ候補が大衆迎合な公約を掲げているにもかかわらず、現実路線の民主党のクリントン候補と互角に選挙戦を戦っている。
ポピュリズムが台頭するのは分厚い中間層が崩壊して、富裕層と貧困層の二極化が進み、貧富の格差が拡大していることが要因と思われる。
スティグリッツ氏(日経ビジネス2016年10月24日号)によると、「多くの米国人の暮らし向きは25年前よりも悪くなっている」。
そして、「フルタイムで働いている男性労働者の所得の中央値は、42年前の水準を下回る。しかも、十分な教育を受けていない労働者が、まともな賃金が払われるフルタイムの仕事に就くことは非常に難しくなっている。」
また、「所得分布の最下層の実質賃金(インフレ調整後)は、60年前とほぼ同じ水準にある」。
このようにアメリカ人の生活水準が悪くなっている状況で、トランプ候補の大衆迎合で非現実的な政策が既存政策の延長線でエリート路線と思われているクリントン候補よりも支持を集めている。
分厚い中間層が存在することが社会の安定に寄与することは昔も現在も同じだ。
その分厚い中間層を形成するために、BI(最低所得保障)をインフラとして整備することは今後考えられないだろうか。
確かに財源をどう確保するか、最低所得を保障すると社会主義に近いから人が働かなくなるなどの懸念がある。
そこで、AI(人工知能)が政府から国民に提供され、人間に代わり、ロボット(robot)やアバター(avatar・分身)が仕事や作業をする社会を考えたい。
BIとAIが政府から提供されれば、国民の勤労意欲がたとえ低下しても、代わりにロボットやアバターが仕事をすることで国民が今までより安定した収入を得られるようになれば、分厚い中間層が形成され、貧富の格差拡大を防ぐことができ、より安定した社会ができないだろうか。
このようなストーリーは実現性が乏しい夢物語にすぎず、またかなり「上から目線」で未来を描いているのは百も承知だが、私なりにこんな未来を考えてみた次第である。
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